2004年夏準決勝 駒大苫小牧(南北海道)−東海大甲府(山梨)

東甲府  003002201= 8
駒大苫  02233000*=10



駒大苫小牧の初優勝において準決勝の東海大甲府戦は日大三・横浜・済美に比べるとあまりスポットライトの当たらない試合です。 けどこの試合は新しい名勝負だと言えると思いますよ。駒大苫小牧は野手はすべて固定、代わるのは岩田・鈴木の両投手だけ。こ の日も岩田が先発かと思われたのですが、びっくりしました松橋でした。一方東海大甲府も佐野を後半に起用するため左腕の岩倉 を先発に起用しました。

04年の東海大甲府ですが実は2年生に村中恭兵投手がいたんですよね。故障があってベンチから外れていたんですが、彼がいたら この試合の結果も変わっていたかもしれません。2回裏駒大苫小牧は、7番に下がった桑島と8番に上がった五十嵐の適時打で2 点を先制。東海大甲府の村中監督は2回で岩倉を下ろし、3回難聴の郷州を代打に送ると松橋を捕え、古屋の適時打と清水主将の 2点適時2塁打で逆転に成功。3回から佐野を投入します。

しかし、逆に佐野の方が滅多打ちにあってしまうのです。3回裏は糸屋の適時打と佐々木孝介主将の適時打で2点を取り再び逆転。 捕手を4回裏から栗山に代えても流れは変わらず林の適時2塁打と暴投で3点、7−3になったところで村中監督はついに決断し ます。なんと佐野を捕手に回し三井をマウンドへ。しかしそれでも流れは変わらず沢井の2点適時打と林の適時2塁打で3点、5 回を終わって10−3となります。これで駒大苫小牧の勝ちだと思いました。

しかし、松橋をリリーフした鈴木の調子がよくなく、徐々に捕えられていきます。6回田中の適時打と佐野の犠飛で2点、7回仲 沢の2点適時3塁打で2点が入り10−7と3点差まで追い上げられてしまいます。するといよいよ先発を外れていた岩田が登場。 終盤は岩田と甲府打線の勝負になります。そして9回、すんなり終わるかと思われたんですが、1番古屋2番瀬口が塁に出ると3 回戦の聖光学院戦で逆転サヨナラ3ランの清水に回ってしまいます。駒苫の5試合の中で1番心臓に悪い試合でした。清水を三振 に打ち取り仲沢に適時打を打たれましたが、最後宮地が三振で試合終了。結局10−8で苫小牧が勝ったというゲームでした。

この試合何が新しい名勝負かと言いますと、両チーム合わせて7人の投手が投げたというのはこの試合以外に記憶にないんですよ ね。それと両チームエースの先発ではなかったということ。両チーム0点の回が1回と8回しかなかったということでしょう。勝 負のポイントは継投でしょうね。岩倉をもう少し長く投げさせた方がよかったのでは?って思ったのと、最後に出てきた穴水をも っと早くに投げさせていればなってところでしょうか?駒苫の継投はあれで正解だったと思いますがね。この試合駒苫は松橋が先 発だったんですが、3回途中でKOされましたが、役割は果たせたと思います。岩田と鈴木を僅かながら休ませることができたの はもちろんですが、何よりも甲府に先制点を与えなかったことが一番の役割だったと思いますね。3−2と一度は逆転されますが、 決して駒苫は慌てていなかったと思います。香田監督もある程度はこのような展開を予想していたと思いますね。甲府は積極的に 動いていたと思ったのですが、6回と8回の併殺は痛かった。8回表の併殺で勝てるかもとも思ったんですよ。甲府の敗退で山梨 勢は春夏通じて未だに決勝戦に進出できていません。関東勢唯一決勝進出のない山梨勢の決勝進出は果たしていつのことになるで しょうか?