2005年夏3回戦 宇部商(山口)−酒田南(山形)

宇部商  000300800=11
酒田南  000000002= 2



宇部商−酒田南ですがこの試合は3回戦最後のゲームでした。先発は宇部商は好永ですが酒田南は金本ではなく、当時1年生でヤクルト に入団した山本でした。これについて、酒田南は宇部商をなめているとおっしゃっていた方がおられましたが決してそうでなくて、金本 の体調があまりよくなかったことと、3年生皆が山本に先発をさせてあげたいという気持ちからだったのでした。酒田南は羽黒を倒して いるということで、今年こそベスト8に行ってくれるのではと期待していました。

3回までは互角でした。宇部商は毎回走者を出すも0点、酒田南は2回にチャンスがありながら併殺打でチャンスを逸し0点。試合が動 いたのは4回、山本と同じ1年生の高橋のタイムリーと豊田の内野ゴロで2点、さらに代わった金本から井田がタイムリーを放ちこの回 計3点が入りました。思えばこの3点である程度勝負はあったと思います。2回にチャンスを逃した酒田南は3回以降三振の山。安打以 外では全く外野に打球が飛びませんでした。なんとか金本に粘ってもらいたかった酒田南だったのですが、7回ついに宇部商は目覚めま す。まず上村の3塁打と暴投で1点、続く工藤・好永の安打で1・2塁のチャンスを作ると、江本が倒れた後の山野の打席でスクイズを 敢行したのですがこれが失敗。3塁走者の工藤がアウトになり2死3塁、これで酒田南は終わりたかったのですが金本が山野にセンター へのタイムリーを打たれて2点目。ここから金本の辛い辛いマウンドが始まります。山野に盗塁を決められ、さらに岩本の捕逸で3塁に ランナーが進み高橋は四球、豊田も四球、そして星山にはなんと死球、押し出しで3点目が入ってしまいます。そして苦しまみれに投げ た井田への初球を、ライト線に運ばれこれが3点2塁打。この一打で金本はKO、左腕の中野に変わります。しかし宇部商打線は止まら ず上村の2塁打に工藤のタイムリー、計8点が入りました。全選手をつぎ込んだ酒田南は9回に佐藤勇太の2塁打で2点を返えしたのが やっと。11−2で宇部商が勝ち17年ぶりのベスト8に進んだのでした。

せっかく選抜ベスト4の羽黒を倒したのだからベスト8まで行ってもらいたかったですね。宇部商を応援していたので、宇部商が勝った ことは素直に嬉しかったのですが、まさかこんなに差がついてしまうとは思いませんでした。この試合2回に先制できなかったのがすべ て。宇部商は先行逃げ切り型のチームでしたから。結局翌年日大山形が夏初めてとなるベスト8に勝ち進み、酒田南は甲子園に新たな歴 史を何も残すことができずに現在に至っています。夏初めてとなるベスト4は是非酒田南に勝ち取ってもらいたいですね。さて、いつの ことになるのやら・・・