2007年夏準決勝 広陵(広島)−常葉菊川(静岡)

広  陵  110100010=4
菊  川  000000021=3



本当は決勝で見たかったこの試合。一方が九州同士の対戦でしたから余計にそう思ってしまいましたね。野球ファンの間では事実上の決勝戦になるかもと思われた方も多かったのではないでしょうか?1日開いていた広陵と連戦の菊川。広島−静岡の対戦成績でも広島が圧倒していたし、戦前は広陵が有利ではと思われていました。

この試合は本当に広陵が強いなと思わせる戦いを見せてくれました。取った4点を見ると適時打が1本もなかったんですよ。1回は土生の本塁打、2回は相手のミス、4回は1死1・3塁からの野村の2塁ゴロ、8回は山下のスクイズ。ボディーブローのようにジワリジワリと点を挙げていったんですよね。最後追い上げられましたが、点差以上に強さを見せてくれたと思いました。野村投手も1回戦以来の完投で二桁の三振を奪い取っての勝利でした。

菊川なんですが、この試合については本当に不満が大きかったです。ここまで来たら菊川に春夏連覇をしてほしいなと思って応援していたので。とにかく策が無さすぎたのが・・・なんですよ。7回2死まで記録した安打数は6本だったんですが、打ったのは4番相馬と6番酒井の2人が3本ずつ打っただけ。それ以外の打者は完ぺきに抑えられていたんです。僕が特に不満に思ったのは5番の中川ですね。この中川が2回無死2塁と、4回1死1塁の場面で走者を進める打撃をしてくれていたら、次の酒井の安打で点数が入っていたかもしれなかったんです。バントをしないというのはチームの方針なのでそれは仕方ないのですが、ならばバントをしないなりのチーム打撃というのをこの中川くんにしてもらいたかったなと。結局彼はこの大会を通じて全くいいところがありませんでした。7回の攻撃も無死1塁から7番石岡が併殺打に倒れた後に8番伊藤が3塁打と本当にチグハグでした。8回から他の打者にも安打が出るようになり3点を返したのですが、8回高野の暴走も痛かった。とにかく不満がいっぱいあったんです。3回戦の同点本塁打で伊藤がスタメンに起用されることになったんですが、8番ではなく5番でスタメンにいれてもよかったのではないかと。しかし、これまでスタメンだった前田も怪我持ちだったということもあってのスタメンでしたし、他の打者のリズムも崩したくなかったということもあったのかもしれません。

一方広陵は8安打しか放っていなかったんですが、本当にしぶとかったですね。4回の得点は1死1塁から有水の時にエンドランをしかけての1死1・3塁でしたし、8回の得点は上本孝の安打と盗塁、内野ゴロで3塁に進んだ後の4番山下のスクイズでしたからね。守備が乱れなかったことも勝因でしょう。菊川としては、2回のミスでの失点が一番痛かったと思いましたから。さて、その広陵なんですがこの試合は先ほども申した通り8安打5残塁で4点とそつのない攻撃を見せてくれたのに、翌日の決勝では13安打も放ちながら13残塁で4点とまた雑な攻撃を見せてしまったのが残念でした。物議を醸した判定はありましたが、結局敗因はこういうとこだったということで・・・。