2007年夏決勝 佐賀北(佐賀)−広陵(広島)

広  陵  020000200=4
佐賀北  00000005*=5



久々に更新をするこの企画。まずは2007年夏の大会を中心に行っていきます。

この試合は僕の戦前の考えとしては、佐賀北の馬場投手からできるだけたくさん点数を取り、そのまま逃げ切る。久保投手からは点 は取れないだろうと。広陵サイドとしてはそういう考えでいけばいいと思っていました。一方佐賀北はできるだけ守って後半勝負、 前の菊川戦で8回以降に3点を取られた野村投手に対して、前半は守って後半勝負の作戦かなと思っていました。

ところが、広陵の中井監督の考えは全く違っていたんですよね。できるだけ早い回に馬場投手を引きずりおろして久保投手と勝負す る。これは相手のパターンを崩すためとのことで。

実際このゲーム中井監督の思惑通りの展開で進んでいくのです。2回に岡田淳の内野ゴロと檪浦の適時打で先制し、なお2死満塁の チャンスを作って馬場をKOしたのでした。ただ僕の考えからすれば、2点しか取れなかったのがなあという思いでいっぱいなんで す。特に不満に思ったのが1死満塁で小林にスクイズを敢行させたこと。満塁でスクイズか?とも思ったんですが、そんなに外した 投球ではなかったのに小林がバットに当てず見送ってしまったことが許せなかったんです。スクイズするぞするぞと相手バッテリー にバレバレでしたし。2点を守りきるのは難しいと思ったので、ならば久保投手を打ち崩さないとなあと。広陵を応援していた人間 として考えると、そう思ってしまいましたね。

一方佐賀北なんですが、前の長崎日大戦で馬場投手を7回まで投げさせていたのが生きましたね。久保投手は昨日2回しか投げてい なかったのでこの試合2回途中からの登板だったんですが、大丈夫だったと言っていました。これは百崎監督のファインプレーでし ょう。前半を終わって2−0、試合前2点ぐらい負けている展開だったらうちのペースと言っていた通りの展開になっていきます。

そんな中追加点を挙げたのが広陵でした。7回1死1・2塁から野村の2点適時打。ついに4−0となります。久保投手は今大会初 めての失点。これで大半の人は広陵が勝つと思ったでしょう。

ただ中井監督はそう思って欲しくなかったです。試合後「4点差がついて確信に近いものがあった」と言っていたんですよね。前日 の菊川戦、8回9回で3点を取られ1点差まで追い上げられていたんです。その試合の翌日だっただけになぜ試合は最後までわから ないと思わなかったのかなあと。結局4点は取りましたが、13安打も放ちながら13残塁で4点しか取れなかったという印象が残って しまったんです。僕は菊川に勝った広陵は本当に強いなあと感心させられたもので。いろんな意味で残念でならなかったです。

試合は8回に井手の押し出し四球と副島の満塁本塁打で逆転を果たし佐賀北が勝利を収めました。井手の四球の時はいろいろと物議 を醸したんですが、全体を通してストライクゾーンが狭かったなと思っていますし、その後の満塁本塁打だって防ぐ道はあったと思 っています。なんせ中井監督のあのコメントを聞いて広陵をフォローする気が一気になくなってしまいましたから。佐賀北が懸命に 守ってワンチャンスをものにしたそれが一番の勝因でしょう。広陵は優勝に相応しいチームではありませんでした。